新会社コードに販売組織・販売エリア・出荷ポイントを設定する

今回やること

新しい会社コードで販売管理(Sales and Distribution:SD)の販売プロセスを動かすには、会社コードだけでなく、販売組織(Sales Organization)、流通チャネル(Distribution Channel)、製品部門(Division)、販売エリア(Sales Area)、プラント(Plant)、出荷ポイント(Shipping Point)の関係を整えておく必要があります。

今回の検証では、会社コードZ091に対して販売組織Z091を作成し、流通チャネル10、製品部門00を組み合わせて販売エリアZ091/10/00を構成しました。さらに、販売組織・流通チャネルとプラントZ091を関連付け、出荷ポイントZ091を作成してプラントへ割り当て、出荷ポイント決定まで設定します。

途中、出荷ポイントの稼働日カレンダ(Factory Calendar)に69を入力したところ、実際にエラーが発生しました。今回はその調査と方針変更も含めて、実機で確認した流れを整理します。

なお、Z091、10、00、01、0001などは今回の検証環境で使用した値です。SAP標準の推奨値や唯一の正解として扱うものではありません。

検証情報

項目 内容
対象 SAP S/4HANA On-Premise
UI SAP GUI for HTML
検証日 2026年8月18日〜19日
対象領域 SD/出荷関連の企業構造・基本設定
主な操作入口 OVX5、OVX3N、OVXK、OVXAN、OVXGN、SPRO、SE16N
主な対象 会社コードZ091、販売組織Z091、プラントZ091
検証レベル 設定・保存結果・関連テーブル確認

販売組織・販売エリア・出荷ポイントの関係

SAP Helpでは、販売組織は販売要件に沿って企業を区分する組織単位で、1つの会社コードに割り当てられます。また、販売エリアは販売組織・流通チャネル・製品部門の組み合わせです。

今回の検証環境では、次の最小構成で進めました。

対象 今回の値 今回の役割
会社コード Z091 販売組織を割り当てる会計単位
販売組織 Z091 今回の販売処理を担う組織
流通チャネル 10 販売組織と組み合わせて流通経路を構成
製品部門 00 販売エリアを構成する組織単位
販売エリア Z091/10/00 上記3組織の組み合わせ
プラント Z091 今回の供給元として販売側と関連付ける
出荷ポイント Z091 出荷処理で使用する組織単位

販売組織を作成して会社コードへ割り当てる

まずOVX5で販売組織Z091を登録しました。名称は「Z091 販売組織」、統計通貨はJPYです。保存後、実画面で「データが保存されました」と表示されたことを確認しています。

販売組織Z091と統計通貨JPYを設定し、保存完了を確認したSAP画面
図1:販売組織Z091を登録し、統計通貨JPYで保存した画面

続いてOVX3Nで、販売組織Z091を会社コードZ091へ割り当てました。保存後にSE16NでTVKOを確認すると、販売組織Z091に対して会社コードZ091が保持されていました。

SAP Helpでも、販売組織は1つの会社コードへ割り当てられる組織として説明されています。今回の設定はこの関係に沿ったものです。

流通チャネル・製品部門を割り当てて販売エリアを作る

販売組織だけでは販売エリアは完成しません。今回の実機では、OVXKで流通チャネル10を販売組織Z091へ割り当て、OVXANで製品部門00を同じ販売組織へ割り当てました。

そのうえでOVXGNから、販売組織Z091・流通チャネル10・製品部門00の組み合わせを販売エリアとして設定しました。保存後にTVTAを確認すると、Z091 / 10 / 00の1レコードが登録されています。

TVTAで販売組織Z091、流通チャネル10、製品部門00の販売エリアを確認した画面
図2:販売エリアZ091/10/00がTVTAに登録された結果

ここで重要なのは、Z091/10/00という組み合わせ自体が今回の検証環境で採用した構成だという点です。流通チャネルや製品部門の設計は企業ごとに異なるため、このコードの組み合わせを一般的な推奨値として扱うことはできません。

販売組織・流通チャネルとプラントをつなぐ

次に、販売側から供給プラントを利用できるよう、販売組織Z091・流通チャネル10とプラントZ091を割り当てました。

今回の実機では、SPROから「企業構造 → 割当 → 販売管理 → 販売組織-流通チャネル-プラントを割当」の設定画面へ進み、Z091 / 10 / Z091を登録しています。保存後にTVKWZを確認すると、この組み合わせが1レコードとして保持されていました。

TVKWZで販売組織Z091、流通チャネル10、プラントZ091の割当を確認した画面
図3:販売組織Z091・流通チャネル10とプラントZ091の割当結果

SAPのカスタマイジング(Customizing)でも、販売組織と流通チャネルの組み合わせである流通チェーンをプラントへ割り当てる設定が用意されています。

出荷ポイントを作成する

続いて、プラントZ091で使用する出荷ポイントを準備しました。既存設定を確認した時点では、今回のプラント用にZ091という出荷ポイントは存在していなかったため、新たに作成する方針としました。

今回の実機では、SPROから「企業構造 → 定義 → 物流管理 → 定義: 出荷ポイント」へ進み、出荷ポイントZ091、名称「Z091 出荷ポイント」を入力しています。

稼働日カレンダ69を入れるとTFACDエラーになった

ここでは一度、過去の検証記録にあった値を参考に稼働日カレンダへ69を入力しました。しかし実機では、次のエラーが発生しました。

「エントリ 69 が TFACD にありません(入力をチェックしてください)」

出荷ポイントZ091の稼働日カレンダ69に対してTFACD未登録エラーが表示された画面
図4:稼働日カレンダ69を入力した際にTFACDエラーが発生した画面

この結果から、少なくとも今回のシステムでは69をそのまま使用できないことが分かります。そこでSE16NでプラントZ091のT001Wを再確認したところ、稼働日カレンダを保持する項目FABKLは空欄でした。

そのため、今回は69を採用せず、出荷ポイント側の稼働日カレンダも空欄へ戻して進めました。これは今回の実機状態に合わせた判断であり、「出荷ポイントの稼働日カレンダは空欄にするのが標準」という意味ではありません。

出荷ポイントZ091で稼働日カレンダを空欄に戻したSAP設定画面
図5:稼働日カレンダを空欄へ戻した出荷ポイントZ091の入力内容

出荷ポイントをプラントへ割り当てる

出荷ポイントを定義した後、プラントとの割当を行いました。今回の実機では、SPROの「企業構造 → 割当 → 物流管理 → 割当: 出荷ポイント → プラント」から、プラントZ091へ出荷ポイントZ091を割り当てています。

保存後は、対象行にプラントZ091と出荷ポイントZ091が並び、「データが保存されました」と表示されたことを確認しました。

プラントZ091と出荷ポイントZ091の割当を保存したSAP画面
図6:プラントZ091へ出荷ポイントZ091を割り当てて保存した画面

SAP Helpでも、出荷ポイントは組織構造で定義したうえでプラントへ割り当て、後続の出荷ポイント決定で利用する構成が示されています。

出荷ポイント決定を設定する

最後に、出荷条件(Shipping Condition)・積載グループ(Loading Group)・プラントの組み合わせから、どの出荷ポイントを提案するかを設定しました。

今回の実機で設定した組み合わせは次のとおりです。

項目 今回の値 確認内容
出荷条件 01 実機の入力候補で「標準」と表示
積載グループ 0001 今回使用したテスト値。説明テキストは確認できず
プラント Z091 今回の供給プラント
提案出荷ポイント Z091 上記組み合わせで提案する出荷ポイント

設定後にTVSTZを確認すると、01 / 0001 / Z091の組み合わせに対して、提案出荷ポイントZ091が保持されていました。

TVSTZで出荷条件01、積載グループ0001、プラントZ091、提案出荷ポイントZ091を確認した画面
図7:出荷条件01・積載グループ0001・プラントZ091から出荷ポイントZ091を決定する設定結果

SAP Helpでは、出荷ポイントはCustomizingに基づいて自動決定され、複数の出荷ポイントを使い分ける場合はプラントに加えて出荷条件や積載グループを利用できると説明されています。今回の01 / 0001 / Z091 → Z091は、その仕組みに対して今回の検証環境で採用した設定です。

なお、実際の受注で出荷ポイントが自動決定されるところまでの確認は、ビジネスパートナ(Business Partner:BP)・品目マスタなど後続の準備も関係するため、本記事の確認範囲には含めていません。

今回の設定結果

設定 実機で確認した結果
販売組織 Z091を登録し、会社コードZ091へ割当
販売エリア Z091/10/00を登録
販売側とプラント Z091/10とプラントZ091を割当
出荷ポイント Z091を登録し、プラントZ091へ割当
稼働日カレンダ 69はTFACDエラーとなったため不採用。今回の実機状態に合わせて空欄で保存
出荷ポイント決定 01 / 0001 / Z091 → Z091を登録

注意点

  • Z091、10、00、01、0001は今回の検証環境の値です。他環境では組織設計や既存設定に応じて異なります。
  • 積載グループ0001について、今回保存した実画面から説明テキストまでは確認できていないため、特定の業務意味を付けて一般化していません。
  • 稼働日カレンダを空欄にしたのは、今回のプラントZ091のT001W-FABKLが空欄だった実機状態に合わせた判断です。空欄をSAP標準の推奨設定としているわけではありません。
  • BPの得意先データ、販売用品目、価格決定、受注・出荷・出庫(Post Goods Issue:PGI)などは後続の検証対象です。

SAP公式情報

まとめ

新会社コードで販売処理を始めるため、今回の検証では販売組織Z091を会社コードZ091へ割り当て、販売エリアZ091/10/00を構成し、販売組織・流通チャネルとプラントZ091を接続しました。さらに、出荷ポイントZ091を作成してプラントへ割り当て、01 / 0001 / Z091から出荷ポイントZ091を提案する設定まで確認しました。

途中で稼働日カレンダ69がTFACDエラーになったため、過去の値をそのまま流用せず、T001Wの実機状態を再確認して方針を変更した点も重要です。新しい組織を追加するときは、既存値を機械的にコピーするのではなく、対象プラントや関連テーブルの実際の状態と照合しながら進める必要があります。