SAP財務諸表バージョンを構成・有効化する|Fiori B/S・P/Lまで実機確認

今回やること

運用勘定コード表ZJP1のG/L勘定を財務諸表の階層で表示するため、財務諸表バージョン(FSV)ZJ01の構成と有効化を確認します。さらにFioriの「貸借対照表/損益計算書」でZJ01を選択し、実績残高が表示されるところまで追います。

なぜ財務諸表バージョンが必要なのか

G/L勘定を用意しただけでは、どの勘定を資産、負債・資本、損益のどの項目に表示するかは決まりません。FSVは財務諸表用の階層を定義し、勘定をその階層へ割り当てます。

なぜ今回ZJ01を用意したのか

今回の検証では、ZJP1に属するG/L勘定を今回の財務諸表構造へ配置するため、ZJ01を構成しました。これはこの検証環境の設計判断です。新会社コードを設けたら必ず新規FSVが必要、という意味ではありません。既存FSVが勘定コード表と報告要件に合うなら、その利用やコピーも検討できます。

検証情報

項目内容
SAP製品SAP S/4HANA
導入形態On-Premise
UISAP Fiori
検証日2026-08-05(初回)、2026-09-20(再確認)
対象領域FI-GL
主なアプリグローバル階層管理、貸借対照表/損益計算書
対象会社コード Z091、勘定コード表 ZJP1、FSV ZJ01、元帳 0L、通貨 JPY
検証レベル実機確認済

SAP一般仕様

SAP Helpによると、Manage Global HierarchiesではFSVの作成、ノードの編集、G/L勘定の割当、シミュレーション、有効化ができます。新規FSVを作る際は階層ID、説明、勘定コード表、有効期間を指定します。保存後のDraftは有効化によりActiveとなり、通常の実行時アプリで利用できるのはActiveなFSVです。シミュレーションによる例外的な利用は本検証の対象外です。

Global Hierarchies方式と従来のManage Financial Statement Versions(OB58)方式で作ったFSVは独立しています。SAPは新規FSVにGlobal Hierarchies方式を推奨しています。また既存FSVのコピーや、従来方式のFSVのインポートも可能です。以下は一般仕様であり、ZJ01の新規登録時に行った具体的な操作を示すものではありません。

ZJ01のDraft状態

実機ではZJ01のステータスが「ドラフト」で、勘定コード表ZJP1が表示されました。資産側には「1(資産)」と、その下の流動資産などのノードが見えます。新規登録時の画面と入力操作は確認資料がないため、ここでは再現しません。

Draft状態の財務諸表バージョンZJ01と資産側の階層
図1:Draft状態の財務諸表バージョンZJ01と資産側の階層

今回構成した財務諸表階層

再確認したZJ01の主要階層は次のとおりです。これは今回の構成であり、SAP標準の唯一の階層ではありません。

ノード表示名
1資産
2負債および資本
P100売上高
P200売上原価
P300販売費及び一般管理費
P400営業外収益
P500営業外費用
P550特別利益
P600特別損失
P700法人税、住民税及び事業税
P990技術勘定(要分類)
財務諸表バージョンZJ01に構成した貸借対照表と損益計算書の階層
図2:ZJ01に構成した貸借対照表・損益計算書の階層

ZJ01の有効化確認

次の実画面ではZJ01のステータスが「有効」に変わり、表示名「Z091 日本基準財務諸表」と勘定コード表ZJP1を確認できます。図1のDraftから図3のActiveへの状態変化を確認したもので、有効化操作のクリック順を示すものではありません。

有効化された財務諸表バージョンZJ01
図3:有効化された財務諸表バージョンZJ01

Fiori側でZJ01を確認

「貸借対照表/損益計算書」の財務諸表バージョンの値ヘルプには、ZJ01、表示名「Z091 日本基準財務諸表」、勘定コード表ZJP1が同じ行に表示されました。

貸借対照表損益計算書の値ヘルプでZJ01を確認
図4:「貸借対照表/損益計算書」の値ヘルプでZJ01を確認

「貸借対照表/損益計算書」で実績表示

会社コードZ091、元帳0L、通貨JPYでZJ01を指定した実画面には、資産、負債および資本、売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、特別利益などの行と、非ゼロの期間残高が表示されました。画面は全勘定タブの表示であり、B/SとP/Lの各タブを個別に開いた結果までは示しません。

ZJ01を使用した貸借対照表損益計算書の実績表示
図5:ZJ01を使用した「貸借対照表/損益計算書」の実績表示

B/S・P/L構造の確認

図2の階層では資産と負債および資本、売上高から税金・技術勘定までの損益項目を確認できます。図5では、その一部が残高を伴う行として表示されています。したがって、この検証条件においてZJ01の階層がFioriの財務諸表表示に使われたことを確認できました。ただし、この画面だけで全勘定の割当網羅性や残高の会計的妥当性までは判断できません。

未割当勘定は別記事で扱う

階層に未割当の勘定があるか、どのように調査したかは別記事で扱います。本稿の範囲はZJ01の階層・有効状態とFioriでの表示確認までです。

注意点

  • ZJ01、ZJP1と表示名は今回の検証環境固有の値です。
  • 既存FSVの流用可否は勘定コード表と報告要件を確認して判断します。
  • 有効化だけで勘定割当の完全性や数値の正確性が保証されるわけではありません。

まとめ

ZJP1用に構成したZJ01は、実機でDraftの階層から有効状態へ進み、Fioriの値ヘルプに現れ、非ゼロの実績残高を階層別に表示しました。G/L勘定の準備から財務諸表の表示へつなぐには、報告要件に合うFSVの構造と利用状態を確かめることが重要です。

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