BPで仕入先を新会社コード・購買組織へ拡張する

今回やること

新しい会社コードや購買組織を用意した後は、そこで使用する仕入先側にも対象組織のデータを持たせる必要があります。

今回の検証では、ビジネスパートナ(Business Partner、BP)で仕入先を登録し、まず FLVN00 のサプライヤ(財務会計)ロールで会社コード Z091 の財務会計データを設定しました。その後、同じBPに FLVN01 のサプライヤロールを追加し、購買組織 Z091 の購買データを登録しています。

保存して終わりにはせず、最後にテーブル LFB1 と LFM1 を確認し、会社コード側と購買組織側のデータが実際に登録されているところまで確認します。

  • FLVN00 で会社コード側の仕入先データを登録する
  • 保存後にBP番号と仕入先番号を確認する
  • 同じBPへ FLVN01 を追加する
  • 購買組織側のデータを登録する
  • LFB1 / LFM1 で保存結果を確認する

検証情報

項目 内容
SAP SAP S/4HANA 2025 On-Premise
UI SAP GUI for HTML
検証時期 2026年8月
対象領域 MM / FI / Business Partner
会社コード Z091
購買組織 Z091
主な操作入口 BP
保存後の確認 SE16N(LFB1 / LFM1)
検証レベル 実機設定・保存・テーブル確認

仕入先BPでは会社コード側と購買側のデータを分けて持つ

SAPのBusiness Partnerでは、同じBPに複数のBPロールを持たせることができます。

今回使用した仕入先向けの2つのロールは、それぞれ扱う組織レベルが異なります。

BPロール 今回使用した目的
FLVN00 サプライヤ(財務会計) 会社コード側の仕入先データを登録する
FLVN01 サプライヤ 購買組織側の仕入先データを登録する

FLVN00 では会社コード(Company Code)に依存する財務会計データを扱います。今回の検証では、会社コード Z091 と統制勘定(Reconciliation Account)を設定しました。

一方、FLVN01 では購買組織(Purchasing Organization)に依存する購買データを扱います。今回はこちらで購買組織 Z091 と発注通貨(Order Currency)を設定しました。

仕入先ロールと組織レベルの考え方は、SAP Help Portalも参照してください。

FLVN00で会社コードZ091の仕入先データを登録する

FLVN00 サプライヤ(財務会計)を選択する

BPで組織として登録を開始し、BPロールに FLVN00 サプライヤ(財務会計) を使用しました。

会社コードには、今回の検証対象である Z091 を指定します。この段階では購買組織側の設定は行わず、まず会社コードに依存する財務会計データを登録します。

統制勘定412100を設定する

会社コード Z091 のデータでは、統制勘定(Reconciliation Account)に 412100 を設定しました。

仕入先補助元帳へ転記すると、対応する統制勘定にも総勘定元帳への転記が行われます。412100 は今回の検証環境で仕入先統制勘定として使用している値であり、SAP標準で固定された勘定番号ではありません。

項目 今回の値
会社コード Z091
統制勘定 412100
支払条件(Payment Terms) 空欄

入力後にチェックを実行すると、「ビジネスパートナのデータにエラーはありません」と表示されました。

FLVN00で会社コードZ091の仕入先データを設定しチェック結果を確認したSAP画面
図1:会社コードZ091の仕入先データを設定した画面

今回の検証環境では、支払条件を空欄のままチェックできました。ただし、マスタ項目の必須/任意は設定によって異なるため、他のSAP環境でも同じ入力内容で登録できるとは限りません。項目状態については、SAP Help Portalも参照してください。

保存してBP番号と仕入先番号を確認する

FLVN00 の設定後に保存すると、BPと仕入先が登録されました。

種類 番号
BP 1000680
仕入先 1002929

画面下部には「ビジネスパートナ 1000680 が登録されました」と表示され、登録が完了したことを確認できました。

保存後にBP番号1000680と仕入先番号1002929が登録されたSAP画面
図2:保存後にBP番号と仕入先番号が登録された画面

今回の実機では、BP番号 1000680 と仕入先番号 1002929 は異なる番号になりました。ここでは実際の採番結果だけを確認対象とします。BP番号・仕入先番号の番号範囲や番号割当の設定・仕組みについては、本記事では扱いません。

同じBPへFLVN01を追加して購買組織Z091へ拡張する

FLVN01 サプライヤを追加する

続いて、別のBPを新規作成するのではなく、先ほど登録した同じBP 1000680 に FLVN01 サプライヤ を追加しました。

FLVN00 が会社コード側の財務会計データを扱うのに対し、FLVN01 では購買組織に依存する購買データを設定します。今回の操作では、1つのBPに財務会計側と購買側のロールを順番に追加しています。

購買組織Z091と発注通貨JPYを設定する

FLVN01 では、購買組織(Purchasing Organization)に Z091 を指定しました。

項目 今回の値
購買組織 Z091
発注通貨(Order Currency) JPY
支払条件(Payment Terms) 空欄
インコタームズ(Incoterms:貿易条件) 空欄

インコタームズ(Incoterms)は、取引時の引渡し条件などを表す貿易条件です。今回の検証では、この項目を空欄のままチェックし、その後の保存まで進めることができました。

入力後のチェックではエラーは発生せず、保存後には FLVN01 サプライヤ(更新済) と表示されました。画面下部でも「変更が保存されました」と確認できました。

FLVN01で購買組織Z091の購買データと保存結果を確認したSAP画面
図3:同じBPへ購買組織Z091の購買データを追加した画面

JPY は今回の検証環境で採用した発注通貨です。SAP標準で固定された値ではなく、今回の検証環境で設定した値として扱います。また、今回の環境では支払条件やインコタームズを空欄のまま保存できましたが、この結果を他環境へそのまま一般化することはできません。

保存後の反映をLFB1・LFM1で確認する

BP画面で保存メッセージが表示されたことに加えて、今回は SE16N からテーブルを確認し、保存したデータが反映されていることまで確認しました。

LFB1で会社コードデータを確認する

まず、仕入先の会社コード単位のデータを確認するため、テーブル LFB1 を参照しました。

項目 確認値
仕入先 1002929
会社コード Z091
統制勘定 412100

対象条件では1件が取得され、FLVN00 で登録した会社コード Z091 と統制勘定 412100 が反映されていることを確認しました。

LFB1で仕入先1002929の会社コードZ091と統制勘定412100を確認したSAP画面
図4:LFB1で会社コードZ091の仕入先データを確認

LFM1で購買組織データを確認する

続いて、仕入先の購買組織単位のデータを確認するため、テーブル LFM1 を参照しました。

項目 確認値
仕入先 1002929
購買組織 Z091
発注通貨 JPY

こちらも対象条件で1件が取得され、FLVN01 で登録した購買組織 Z091 と発注通貨 JPY が反映されていました。

LFM1で仕入先1002929の購買組織Z091と発注通貨JPYを確認したSAP画面
図5:LFM1で購買組織Z091の仕入先データを確認

BP画面上の保存メッセージだけでなく、会社コード側は LFB1、購買組織側は LFM1 まで確認することで、今回登録した2つの組織レベルのデータをそれぞれ確認できました。

今回確認できたことと注意点

今回の実機検証では、まず FLVN00 で会社コード Z091 の財務会計データを登録し、統制勘定 412100 を設定しました。

その後、新しいBPを作成するのではなく、同じBPに FLVN01 を追加して、購買組織 Z091 と発注通貨 JPY を登録しました。最後に LFB1 と LFM1 を確認し、それぞれの組織レベルにデータが保存されていることを確認しています。

今回使用した Z091、412100、JPY などは、この検証環境で採用した値です。また、支払条件やインコタームズを空欄で保存できたことも今回の環境での結果であり、SAP全体の必須項目を示すものではありません。

まとめ

今回の検証では、BPを使って仕入先を会社コードと購買組織へ登録する流れを確認しました。

FLVN00 → 会社コード Z091 と統制勘定を設定 → BP・仕入先を保存 → 同じBPへ FLVN01 を追加 → 購買組織 Z091 と発注通貨を設定 → LFB1 / LFM1 で保存結果を確認、という流れです。

会社コード側と購買組織側を別々のBPロールで設定し、最後にそれぞれのテーブルまで確認することで、仕入先データがどの組織レベルに登録されたのかを追うことができました。

これで、会社コード Z091・購買組織 Z091 で仕入先を利用するためのマスタ側の準備を確認できました。次は品目を準備し、実際の購買発注へ進みます。