プラント・購買組織・購買グループ・保管場所を新会社コードへ組み込む

今回やること

新しい会社コード(Company Code)を作成しただけでは、購買や在庫管理で使用する組織構造までは完成しません。

今回の検証では、会社コードZ091でMMの購買・在庫業務を進めるため、プラント(Plant)、購買組織(Purchasing Organization)、購買グループ(Purchasing Group)、保管場所(Storage Location)を設定しました。

この4つは、すべてが会社コードへ直接割り当てられるわけではありません。

  • どの組織を作成したか
  • どことどこを割り当てたか
  • それぞれがどのような関係にあるか

を、実際に設定した画面を確認しながら整理します。

検証情報

項目 内容
SAP製品・Version SAP S/4HANA 2025 On-Premise
導入形態 On-Premise
UI SAP GUI for HTML
検証日 2026年8月11日~15日
対象領域 MM(購買・在庫)
会社コード Z091
主なT-code OX10、OX18、OX08、OX01、OX17、OME4、OX09
補足で使用 OMKI
検証レベル 設定・保存結果の実機確認

この記事に記載するZ091、Z93、0001などは、今回の検証環境で採用した値です。SAP標準の推奨値や唯一の設定方法を示すものではありません。

先に組織関係を整理する

今回設定した関係を整理すると、次のとおりです。

関係 今回の設定
プラント → 会社コード Z091 → Z091
プラント → 保管場所 Z091 → 0001
購買組織 → 会社コード Z091 → Z091
購買組織 → プラント Z091 → Z091
購買グループ Z93(上記組織への直接割当なし)

プラントはロジスティクス上の組織単位で、会社コードへ割り当てます。保管場所は、さらにプラントの下で定義します。

一方、購買組織は購買業務を担当する組織単位です。購買組織から会社コードへの割当は必須ではありませんが、購買組織とプラントの割当は購買業務を行ううえで必要です。

購買グループは性格が異なり、購買担当者または購買担当者のグループを表します。購買組織やプラントへ直接割り当てる組織単位ではありません。

この違いを意識しておくと、企業構造の設定画面を追いやすくなります。

プラントZ091を設定する

最初に、今回の会社コードで使用するプラントZ091を設定しました。

今回確認した主な内容は次のとおりです。

項目 設定値
プラント Z091
名称 Z091 プラント
国 JP
言語 JA

プラントは、生産、調達、品目計画などで使用されるロジスティクス上の組織単位です。

今回の検証では、Z091を新しい会社コード用のプラントとして使用しています。

プラントZ091の詳細設定画面
図1:プラントZ091の設定内容

プラントを会社コードZ091へ割り当てる

プラントを登録した後、会社コードとの割当を設定しました。

今回の設定結果は次のとおりです。

プラント Z091 → 会社コード Z091

実機では「割当: プラント - 会社コード」画面でZ091同士を割り当て、保存後に「データが保存されました」と表示されることを確認しました。

プラントZ091と会社コードZ091の割当画面
図2:プラントZ091を会社コードZ091へ割り当てた結果

SAPの組織構造では、1つのプラントは1つの会社コードに属します。一方、1つの会社コードには複数のプラントを割り当てることができます。

今回のZ091は、1会社コード・1プラントというシンプルな構成にしています。

購買組織Z091を設定する

次に購買組織Z091を登録しました。

購買組織は、品目やサービスの調達、サプライヤとの購買条件の交渉などを担当する組織単位です。

今回の検証環境では、会社コードやプラントと同じZ091を購買組織コードとして採用しました。

購買組織Z091を登録した設定画面
図3:購買組織Z091の登録結果

コードをそろえているのは今回の検証環境で採用した設計であり、SAP上で会社コード・プラント・購買組織を同一コードにする必要があるという意味ではありません。

購買組織を会社コードへ割り当てる

今回の検証では、購買組織Z091を会社コードZ091へ割り当てました。

購買組織 Z091 → 会社コード Z091

購買組織Z091と会社コードZ091の割当画面
図4:購買組織Z091と会社コードZ091の割当

ここで注意したいのは、購買組織と会社コードの割当はSAP一般仕様として必須ではないことです。

会社コード横断購買の構成では、購買組織を特定の会社コードへ割り当てない構成も可能です。

今回はZ091の購買業務をZ091の中で行う構成として、会社コードへの割当を行いました。

購買組織をプラントへ割り当てる

続いて、購買組織Z091をプラントZ091へ割り当てました。

購買組織 Z091 → プラント Z091

購買組織Z091とプラントZ091の割当画面
図5:購買組織Z091とプラントZ091の割当

購買組織から会社コードへの割当とは異なり、購買組織とプラントの関係は購買業務を行うための基本的な組織関係です。

SAPでは、1つの購買組織で複数のプラントを担当することも、1つのプラントに複数の購買組織を割り当てることもできます。

今回は1つの購買組織Z091で1つのプラントZ091を担当する構成としました。

購買グループZ93を設定する

次に、購買グループZ93を登録しました。

今回の設定値は次のとおりです。

項目 設定値
購買グループ Z93
名称 Z091 購買グループ
購買グループZ93を登録した設定画面
図6:購買グループZ93の登録結果

購買グループは、購買組織やプラントとは扱いが異なります。

SAPでは、購買グループは1人または複数の購買担当者を表し、品目や品目グループなどの調達を担当します。

購買グループを購買組織やプラントへ直接割り当てる設定はありません。

そのため、今回もZ93を作成した後に、Z93を会社コードZ091やプラントZ091へ直接割り当てる操作は行っていません。

「会社コード用の購買グループを作る」場合でも、会社コードへ直接紐付ける設定ではない点は、企業構造を設定するときに混同しやすいところです。

保管場所0001をプラントZ091へ設定する

在庫を管理するため、プラントZ091に保管場所0001を設定しました。

今回の設定値は次のとおりです。

項目 設定値
プラント Z091
保管場所 0001
名称 Z091 一般保管場所
プラントZ091の保管場所0001を登録した設定画面
図7:プラントZ091に登録した保管場所0001

保管場所は、プラント内の在庫を区分するための組織単位です。

そのため、保管場所は会社コードへ直接割り当てるのではなく、特定のプラントに対して定義します。

今回の構成は、会社コード Z091 → プラント Z091 → 保管場所 0001という関係です。

保管場所コードはプラント内で一意です。そのため、別のプラントであれば同じ保管場所コードを使用することもできます。

補足:標準購買組織も設定した

今回の実機設定では、プラントZ091に標準購買組織(Standard Purchasing Organization)としてZ091も設定しました。

ただし、この設定は先ほどの「購買組織をプラントへ割り当てる」設定とは目的が異なります。

標準購買組織は、システムが購買組織を自動的に決定する必要がある特定のプロセスで使用されます。SAP公式情報では、パイプライン調達、受託品、在庫転送、入庫時の購買発注自動生成などが例として挙げられています。

プラントに購買組織が1つしかない場合や、これらのプロセスを使用しない場合には、標準購買組織の割当が不要な場合もあります。

そのため、今回設定したという実機事実と、「常に必要な設定である」という説明は分けて考える必要があります。

設定結果を確認する

今回設定したMMの組織構造をまとめると、次のようになりました。

対象 今回の設定
会社コード Z091
プラント Z091
購買組織 Z091
購買グループ Z93
保管場所 0001
プラント → 会社コード Z091 → Z091
購買組織 → 会社コード Z091 → Z091
購買組織 → プラント Z091 → Z091
プラント → 保管場所 Z091 → 0001

設定画面では、それぞれ保存後の状態まで確認しています。

重要なのは、これら4つを同じ種類の組織割当として扱わないことです。

  • プラントは会社コードへ割り当てる
  • 保管場所はプラント配下に定義する
  • 購買組織はプラントへ割り当て、今回の構成では会社コードにも割り当てる
  • 購買グループは購買組織やプラントへ直接割り当てない

この関係を整理しておくと、その後の品目マスタ、仕入先、購買発注、入庫といったMMの設定・業務検証へ進みやすくなります。

まとめ

今回は、新会社コードZ091で購買・在庫業務を行うため、プラント、購買組織、購買グループ、保管場所を実機で設定しました。

実際に設定した値はZ091を中心にそろえていますが、これは今回の検証環境で採用した構成です。

特に確認しておきたいのは、組織ごとに割当関係が異なることです。

会社コードを新設した後にMM領域を組み込む場合は、単に各コードを作成するだけでなく、「どの組織が、どの組織に対して定義・割当されるのか」を分けて確認することが重要だと分かりました。

参考にしたSAP公式情報