受注→出荷→出庫転記(PGI)を実機検証|在庫減少と売上原価仕訳を確認

今回やること

新会社コードの販売業務について、今回は受注から出荷・出庫転記までを追い、在庫数量と会計仕訳が動くポイントを確認します。受注登録時点のFI会計伝票有無は今回の一次確認対象には含めていません。出庫転記(Post Goods Issue:PGI)まで進めた後、入出庫伝票とFI会計伝票を確認します。

今回は、作成済みの標準受注6590を起点に、出荷伝票80007009を作成して出庫転記まで実行しました。その後、伝票フロー、入出庫伝票、FI会計伝票を順に確認し、次の3点を追います。

  • 受注→出荷→出庫転記までの伝票フローがつながっているか
  • 出庫転記によって移動タイプ601・出庫数量1 EAが記録されているか
  • 在庫勘定から売上原価側へ1,000 JPYが振り替えられているか

検証情報

項目 内容
SAP製品 SAP S/4HANA 2025 On-Premise
UI SAP GUI for HTML
検証時期 2026年8月
対象領域 SD / MM / FI
主なT-code VL01N、VL02N
対象会社コード Z091
対象受注 6590
対象品目 12
検証レベル 受注→出荷→出庫転記→入出庫伝票→FI会計伝票の実機確認

会社コード、伝票番号、G/L勘定などは今回の検証環境で使用した値です。SAP標準の固定値や推奨値ではありません。

受注を参照して出荷伝票を作成する

まず、VL01N「出荷伝票登録(受注参照あり)」から標準受注6590を参照して出荷伝票を作成しました。

今回入力した主な条件は、出荷ポイントZ091、選択日2026/08/24、受注6590です。対象明細には品目12、出荷数量1 EAが表示され、保存後に出荷伝票80007009が採番されました。

VL01Nは、受注番号を指定して単一の受注を参照し、出荷伝票を登録するための入口です。

VL02Nで出庫転記を実行する

続いて、VL02N「出荷伝票変更」で出荷伝票80007009を開き、出庫を転記しました。

処理後、画面下部に出荷伝票80007009の保存と、入出庫伝票4900009559の登録完了が表示されました。これにより、対象出荷伝票の出庫処理が正常に完了したことを確認できました。

出庫転記後に出荷伝票80007009の保存と入出庫伝票4900009559の登録完了が表示された画面
図1:出荷伝票80007009の出庫転記後、入出庫伝票4900009559が登録された画面

伝票フローで受注から出庫までを確認する

出荷伝票の伝票フローを確認すると、今回の処理は次のようにつながっていました。

種別 伝票番号
標準受注 6590
出荷伝票 80007009
出庫確認(入出庫伝票) 4900009559

保存メッセージだけでなく、受注から出荷、出庫までを同じ業務フローとして追跡できることを確認しました。

標準受注6590、出荷伝票80007009、出庫確認4900009559がつながったSAP伝票フロー
図2:標準受注6590から出荷伝票80007009、出庫確認4900009559までの伝票フロー

入出庫伝票で移動タイプ601・出庫数量1 EAを確認する

入出庫伝票4900009559を確認すると、今回の出庫について次の値が記録されていました。

項目 実機結果
入出庫伝票 4900009559
移動タイプ 601
品目 12
出庫数量 1 EA
保管場所 0001
利益センタ Z091TEST02
G/L勘定 823600

移動タイプ601は、SAP標準では出荷に対する出庫に使用されます。今回の実機でも、出荷伝票80007009の出庫結果として移動タイプ601・出庫数量1 EAが記録されました。

入出庫伝票4900009559に移動タイプ601、数量1 EA、G/L勘定823600が表示された画面
図3:入出庫伝票4900009559で移動タイプ601・出庫数量1 EAを確認

出庫転記による在庫数量の変化を見る

この品目12については、直前の初期在庫投入で、プラントZ091・保管場所0001の利用可能在庫数量が10 EAになったことを確認しています。

今回の出庫転記では、同じ品目12について1 EAを出庫しました。出庫転記は供給プラントの在庫を減少させる処理であり、今回も移動タイプ601で1 EAが払い出されています。

今回の確認では、出庫転記後の入出庫伝票で移動タイプ601・出庫数量1 EAが記録されたことを確認しました。

FI会計伝票で売上原価と在庫の仕訳を確認する

入出庫伝票4900009559の関連伝票を確認すると、FI会計伝票4900000001と品目元帳(Material Ledger)伝票A00011C400が生成されていました。

FI会計伝票4900000001では、次の2明細を確認しました。

借方/貸方 G/L勘定 実画面の勘定テキスト 金額
借方 823600 材料/商品振替入庫 1,000 JPY
貸方 122100 製品 1,000 JPY

今回の検証環境では、823600を売上原価用途、122100を在庫用途として使用しています。したがって、今回の出庫転記では次の仕訳が生成されました。

借方:売上原価 1,000 JPY / 貸方:在庫 1,000 JPY

出庫転記によって、在庫数量の払出しに加えて、在庫価値を在庫勘定から売上原価側へ振り替える会計処理まで行われています。

823600や122100は今回の検証環境で使用しているG/L勘定です。実際に使用される勘定は、各システムの勘定決定設定によって異なります。

FI会計伝票4900000001にG/L勘定122100と823600の各1,000 JPY明細が表示された画面
図4:FI会計伝票4900000001で売上原価側と在庫側の1,000 JPY転記を確認

出庫転記を起点にSD・MM・FIがつながる

今回の結果をモジュール間の流れで整理すると、次のようになります。

業務段階 確認した結果
販売管理(SD):受注 標準受注6590
販売管理(SD):出荷 出荷伝票80007009
在庫管理(MM):出庫 入出庫伝票4900009559、移動タイプ601、1 EA
財務会計(FI):会計 FI会計伝票4900000001
財務会計(FI):仕訳 売上原価1,000 JPY / 在庫1,000 JPY
品目元帳 伝票A00011C400

受注や出荷伝票だけを見ていると、物流処理と会計処理のつながりは見えにくいものです。出庫転記を起点に入出庫伝票とFI会計伝票まで追うと、販売管理・在庫管理・財務会計がどのタイミングで連携するかが分かりやすくなります。

請求伝票の作成と売上側のFI転記は、この後の工程で確認します。

まとめ

今回は、標準受注6590を参照して出荷伝票80007009を作成し、VL02Nから出庫転記まで実行しました。

出庫転記の結果、入出庫伝票4900009559に移動タイプ601・出庫数量1 EAが記録されました。さらにFI会計伝票4900000001では、売上原価側823600が借方1,000 JPY、在庫側122100が貸方1,000 JPYで転記されていました。

直前の初期在庫投入で利用可能在庫数量10 EAを確認しており、今回の出庫転記ではその品目から1 EAが払い出されました。販売出荷に伴う在庫数量の減少と、在庫価値の会計振替を一連の流れとして確認できました。

受注→出荷→出庫転記の検証では、出荷伝票だけで終わらせず、入出庫伝票とFI会計伝票まで追うことで、販売管理・在庫管理・財務会計の連携を具体的に確認できます。

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