SAP価格決定を実機設定|OVKK・RVAA01・PR00の関係を確認

今回やること

販売エリアや得意先、販売用品目を準備しても、受注時の価格決定がつながっていなければ、基本価格を正しく決定できません。今回は、新会社コード側の販売エリアで価格決定表を決める設定を追加し、実機でOVKKの決定キー → 価格決定表RVAA01 → 条件タイプPR00 → PR00条件レコードまでつながることを確認します。

確認の中心は、販売伝票の価格決定表がどのキーで選ばれるか、選ばれた価格決定表の中にPR00が存在するか、そして実際のPR00条件レコードがどの値で保持されているかです。受注・出荷・請求やFI転記はこの記事の対象外とします。

検証情報

項目 内容
SAP製品・Version SAP S/4HANA 2025 On-Premise
UI SAP GUI for HTML
検証日 2026年8月22日
対象領域 販売管理(Sales and Distribution:SD)/価格決定
主なT-code OVKK、SE16N、VK11、VK13
検証レベル Customizing設定+テーブル確認+条件レコード照会

価格決定表・条件タイプ・条件レコードの関係

SAPの販売価格決定では、まず販売伝票に適用する価格決定表(Pricing Procedure)を決めます。価格決定表には、価格・値引・割増・税などを表す条件タイプ(Condition Type)が処理順に並びます。各条件タイプは、有効な条件レコード(Condition Record)を探索し、そのレコードに保持された価格などを価格決定へ反映します。

今回の検証では、この流れを次のように確認しました。

段階 今回の確認値 役割
価格決定表の決定 Z091 / 10 / 00 + Y1 + 1 → RVAA01 販売エリアと価格決定キーから使用する価格決定表を決める
価格決定表 RVAA01 条件タイプの処理順を定義する
基本価格の条件タイプ PR00 販売価格を表す条件タイプ
条件レコード 2,000 JPY / 1 EA 今回のテストで使用するPR00価格

Z091、Y1、1、2,000 JPY / 1 EAは今回の検証環境で使用した値です。これらをSAP標準の推奨値や唯一の正解として扱うものではありません。

OVKKで価格決定表の決定を設定する

OVKKの「販売伝票における価格決定表の決定」で、新会社コード側の販売エリアに対応する組み合わせを追加しました。

項目 今回の値
販売組織 Z091
流通チャネル 10
製品部門 00
伝票価格決定表 Y1
得意先価格決定表 1
価格決定表 RVAA01

 

OVKKで販売組織Z091、流通チャネル10、製品部門00、伝票価格決定表Y1、得意先価格決定表1からRVAA01を設定した画面
図1:OVKKでZ091/10/00・Y1・1からRVAA01を決定する設定を入力

この設定で重要なのは、RVAA01という価格決定表だけを直接指定するのではなく、販売エリアと2種類の価格決定キーの組み合わせに対して割り当てている点です。

T683Vで保存結果を確認する

OVKK保存後、SE16NからT683Vを確認しました。対象条件では該当数が1件となり、販売組織Z091、流通チャネル10、製品部門00、伝票価格決定表Y1、得意先価格決定表1に対して、価格決定表RVAA01が保持されていました。

T683VでZ091、10、00、Y1、得意先価格決定表1からRVAA01が保持されていることを確認した画面
図2:T683Vで価格決定表RVAA01の保存結果を確認

設定画面で値を入力したことだけでなく、保存後のテーブル値まで確認できたため、今回の価格決定表決定は実機上で登録済みと判断しました。

RVAA01の中にPR00があることを確認する

次に、決定されたRVAA01がどの条件タイプを持つかをT683Sで確認しました。今回の実機ではRVAA01に63行あり、そのうちステップ11に条件タイプPR00が存在しています。

T683Sで価格決定表RVAA01のステップ11に条件タイプPR00が存在することを確認した画面
図3:RVAA01のステップ11に基本価格のPR00が存在

価格決定表は複数の条件タイプを所定の順序で処理するための定義です。今回の記事ではRVAA01全体の各条件タイプを解説するのではなく、後続の販売価格設定に直接関係するPR00に絞って確認します。

PR00条件レコードを登録して照会する

基本価格はPR00の条件レコードとして用意しました。今回のテストでは、得意先1000681と品目10の組み合わせに対し、2,000 JPY / 1 EAを設定しています。

登録後にVK13で照会すると、販売組織Z091、流通チャネル10、得意先1000681、品目10に対して、金額2,000 JPY、価格単位1 EA、有効開始2026-08-22、有効終了9999-12-31の条件レコードを確認できました。

VK13で得意先1000681、品目10のPR00条件レコード2,000 JPY、価格単位1 EAを確認した画面
図4:VK13でPR00の2,000 JPY/1 EA条件レコードを確認

2,000 JPY / 1 EAは今回の統合テスト用に採用した価格であり、SAP標準の価格ではありません。また、この記事では実際の受注伝票でこのPR00が自動決定された結果までは扱いません。受注以降のE2E検証は後続記事の対象とします。

今回確認できた関係

確認ポイント 実機結果
価格決定表決定 Z091 / 10 / 00 + Y1 + 1 → RVAA01をOVKKで設定
保存後確認 T683Vで同じキーとRVAA01を確認
価格決定表の内容 T683SでRVAA01のステップ11にPR00を確認
基本価格 VK13で2,000 JPY / 1 EAのPR00条件レコードを確認

注意点

  • RVAA01を今回使用したことは実機事実ですが、すべての環境でRVAA01を使用すべきという意味ではありません。販売要件や既存Customizingに応じて価格決定表は異なります。
  • Y1、得意先価格決定表1、PR00価格2,000 JPYは今回の検証環境で採用した値です。
  • この記事では価格決定表決定からPR00条件レコードまでを対象とし、実受注での価格決定結果、出荷、PGI、請求、会計連携は確認範囲に含めていません。

まとめ

今回は、新会社コード側の販売エリアで価格決定を行うために、OVKKでZ091 / 10 / 00 + Y1 + 1 → RVAA01を設定し、T683Vで保存結果を確認しました。さらにT683SでRVAA01のステップ11にPR00が存在することを確認し、VK13でPR00の条件レコード2,000 JPY / 1 EAまで追跡しました。

価格決定を確認するときは、PR00の価格だけを見るのではなく、どのキーで価格決定表が選ばれ、その価格決定表にどの条件タイプがあり、最終的にどの条件レコードが参照されるかを順に確認すると、設定のつながりを整理しやすくなります。

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