AS08で固定資産番号範囲を会社コードへコピーする
今回やること
SAP S/4HANAの固定資産管理(FI-AA)で、新しく作成した会社コードに固定資産番号範囲がまだ登録されていない状態から、既存会社コードの番号範囲をコピーします。
今回の実機では、トランザクションコードAS08を使用し、会社コード1010の固定資産番号範囲を会社コードZ091へコピーしました。
コピー操作だけで終わらせず、コピー直後にZ091へ番号範囲が反映されたこと、さらに保存後にAS08を再表示しても設定が残っていることまで確認します。
なお、会社コード1010やZ091、番号範囲の内容は今回の検証環境で使用した値です。SAP標準の推奨値や唯一の設定方法を示すものではありません。
検証情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| SAP製品 | SAP S/4HANA 2025 On-Premise |
| UI | SAP GUI for HTML / Fiori |
| 対象領域 | FI-AA 固定資産管理 |
| 対象会社コード | Z091 |
| コピー元会社コード | 1010 |
| 検証時期 | 2026年9月 |
| T-code | AS08 |
| 検証内容 | コピー前確認 → サブオブジェクトコピー → コピー結果確認 → 保存後の再確認 |
固定資産番号範囲とAS08
SAP Helpでは、固定資産番号は固定資産を一意に識別するために使用され、番号範囲は会社コードレベルで定義すると説明されています。また、内部採番ではシステムが番号を割り当て、外部採番では利用者が番号を指定します。
SAP Helpの「Asset Accounting Transaction Codes」では、AS08は「Number Ranges: Asset Number」として掲載されています。
今回の実機では、AS08の画面上に表示される「サブオブジェクトコピー」を使って、会社コード1010からZ091へ番号範囲をコピーしました。ここでは、SAP一般仕様と今回の実機操作を分けて扱います。
コピー前のZ091を確認する
まずAS08を開き、会社コードZ091の固定資産番号範囲を確認しました。
画面には「間隔編集: 固定資産番号」「オブジェクト ANLAGENNR」「サブオブジェクト Z091」と表示されましたが、番号範囲の一覧は空欄でした。
このため、今回の検証ではZ091に固定資産番号範囲が未登録の状態から作業を開始しています。

コピー元1010の番号範囲を確認する
次に、コピー元として使用する会社コード1010の番号範囲をAS08で確認しました。
実機では番号範囲01~09、90、99が登録されていました。90と99では外部採番のチェックも確認できます。
| 確認項目 | 1010で確認した内容 |
|---|---|
| 番号範囲 | 01~09、90、99 |
| 開始番号・終了番号 | 各番号範囲に設定済み |
| 外部採番 | 90、99でチェックあり |
| ステータス | 01、02では0以外の値を確認 |

ここで確認した番号範囲を、そのままZ091側の設定候補として利用します。
サブオブジェクトコピーで1010からZ091へコピーする
AS08の画面から「サブオブジェクトコピー」を選択すると、「コピー: 会社コード」のダイアログが表示されました。
今回の実機では、コピー元とコピー先を次のように指定しました。
| 項目 | 入力値 |
|---|---|
| From | 1010 |
| To | Z091 |

コピーを実行すると、画面下部に「採番コード 1010 は Z091 にコピーされました」という成功メッセージが表示されました。

このメッセージはコピー処理が実行されたことの確認には使えますが、今回の記事ではここで完了とはせず、コピー先の内容と保存後の状態まで確認します。
コピー直後のZ091を確認する
コピー後に会社コードZ091の番号範囲を確認すると、コピー前は空だった一覧に、01~09、90、99が表示されました。
開始番号・終了番号と外部採番の設定も、コピー元で確認した番号範囲に対応して反映されています。

一方で、画面上の「ステータス」はコピー元と同じ値にはなっていませんでした。
コピー元1010では番号範囲01と02に0以外のステータスが表示されていましたが、コピー先Z091では各番号範囲のステータスが0になっています。
したがって、今回の実機結果からは、番号範囲の定義がコピーされたことと、コピー元で進んでいた採番状態まで同じ値で引き継がれることは分けて考える必要があります。この記事では、後者をSAP一般仕様として断定しません。
保存後もZ091の番号範囲が残ることを確認する
コピー内容を保存した後、AS08で会社コードZ091を再度確認しました。
再表示後も、番号範囲01~09、90、99が残っており、外部採番のチェックも確認できました。

今回の検証では、コピー完了メッセージだけでなく、保存後の再表示まで確認したことを設定完了の根拠としています。
注意点・考察
今回の検証で特に注意したいのは、コピー元会社コードの設定値をそのまま「SAP標準値」と考えないことです。
会社コード1010に登録されていた番号範囲や外部採番の設定は、この検証環境で使用していた既存設定です。新しい会社コードで同じ番号範囲設計が妥当かどうかは、資産クラスの設計、既存の採番体系、外部採番の要否などを踏まえて別途判断する必要があります。
SAP Helpでは、番号範囲は会社コードレベルで定義し、資産クラス側で会社コードごとの番号範囲を指定すると説明されています。そのため、AS08で番号範囲を用意した後は、資産クラス側の番号範囲割当も含めて整合を確認する必要があります。
また、今回の実機ではコピー先Z091のステータスが0になったため、コピー元の採番進捗まで同一になるとは扱っていません。コピー後は、番号範囲そのものだけでなく、画面上のステータスや外部採番フラグも確認してから保存するのが安全です。
前工程のFI-AA旧資産移行に関する設定は、FI-AA旧資産移行を始める|旧データ転送セグメントの設定で確認しています。
まとめ
AS08を使用し、会社コード1010の固定資産番号範囲を新会社コードZ091へコピーしました。
実機では、コピー前のZ091に番号範囲が存在しないことを確認したうえで、サブオブジェクトコピーにより1010からZ091へコピーし、成功メッセージを確認しました。
コピー直後にはZ091へ番号範囲01~09、90、99が反映され、保存後にAS08を再表示しても設定が残っていました。
一方、コピー元で0以外だったステータスはコピー先では0となっていました。番号範囲定義のコピーと採番進捗の引継ぎを同一視せず、コピー後の状態を実画面で確認することがポイントです。

